【沈黙の継承──オオタニ翔平が放った“たった一言”が、コンフォートの人生を変えた夜】
■「感謝なんて要らないよ」──その一言がすべてだった
フェンウェイ・パークの静かな夜。
試合に敗れたドジャースのロッカールームで、最初に口を開いたのは、あのホームランを放ったコンフォートだった。
「試合に勝ったと思った。でも…あの一球で、全てが変わった」
その悔しさと向き合いながら、彼は記者たちに静かに告白した。

「雨で試合が延期された朝、ショウヘイと2人でバットを振ってたんだ」
──そこにはカメラもなく、ただ“集中”と“敬意”だけがあった。

■「ボールを打つな、感じろ」──沈黙の中の“ひとこと”
「彼は打ち方を教えなかった。ただこう言った。
『バットとボールの音を聴け。打とうとするな。身体にボールをぶつけさせろ』って。それだけだった」

そしてその一言が、コンフォートの全てを変えた。
試合本番、彼はその“感覚”だけを頼りに、今季第9号のホームランを放つ。

■誰も気づかない“文化の継承”──静かなる指導者
その後、ベンチの片隅でiPadを見つめていたオオタニに、
コンフォートは静かに感謝を伝えた。
「ありがとう」と言うと、彼は目を見て、こう返した。
「僕はただ、自分の持ってるものを分かち合っただけ。
結果が出たなら、それが一番の喜び。何かあれば、また教えるよ。ずっと応援してるから」

そのやり取りを、通訳ウィル・アイレトンは静かに見守っていた。
「騒がしいベンチの中で、まるで時間が止まったようでした」
ウィルは語る。「ショウヘイは語らない。でも、彼の沈黙がすべてを教えてくれるんです」

■ショウヘイは“文化”そのもの
最近のドジャースでは、誰もが彼の仕草、彼の沈黙に耳を傾けている。
「彼がただ静かにiPadを見ているだけで、周りの選手は姿勢を正すんです」
それが“言葉を超えた指導”。それが“沈黙の継承”。

■これは“勝敗”の物語ではない
──それは、MLBの中で今、静かに進行する文化革命。
「彼は記録を追っているんじゃない。人としての在り方を教えてくれる存在なんだ」とウィルは締めくくった。

ショウヘイ・オオタニ──彼は今、ドジャースという巨大組織の“文化”になろうとしている。

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