祝福の光が全米を包んでいたその夜、
ほんの一瞬だけ、空気がゆらいだ。
歓声と拍手の裏側で、
誰かの沈黙と、誰かの影がそっと揺れた。
映し出されたのは、喜びとは少し違う“表情”。
そのわずかな歪みが、
やがて予想もしなかった波紋を生むことを
誰もまだ知らなかった。
言葉は短く、しかし鋭く、
やがて火は別の場所へ飛び火し、
想定外の方向へと事態は転がり始める。
誤解なのか、怒りなのか、
プライドなのか、焦りなのか――
真実は本人にしか分からない。
ただ、ひとつの発言と、ひとつの沈黙が、
MLBの巨大な輪をゆっくりと回転させた。
そしてその対極には、
変わらず静かに、穏やかに、
“頂に立つ者”の姿があった。
物語は騒ぎではなく、
その“温度差”から始まるのかもしれない。

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