9回裏、大谷翔平が放った一打は、確かにスタジアムを揺るがした。しかし、その熱狂の裏で広がったのは、歓喜ではなく緊張だった。ベンチに走った沈黙、そして会見で語られたロバーツ監督の“本音”――それは選手たちの心に新たな疑念を刻みつけた。

若手投手への責任転嫁、フリードマンGMの苛立ち、主力ベテランたちの不満。クラブハウスに漂う不協和音は、やがてマンシーの涙によって象徴されることとなる。「チームの失敗は一人に押し付けるものじゃない」――オオタニのその一言が、沈んだ空気を切り裂いた。

勝利の陰で浮かび上がったのは、数字では語れない“信頼と誇り”をめぐる人間模様。守られる存在であるオオタニと、揺れる指揮官の立場。その対比こそが、今のドジャースを映し出していた。

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