◆カーショーは大谷にとって長年の憧れの存在

大谷選手にとって、カーショー投手は理想の選手の1人でした。
MLB挑戦前の日本ハムファイターズ時代、憧れの選手として大谷選手はカーショー投手の魅力を語っていました。

「カーショー投手はもともと好きですよ。独自ながら、理に適った投げ方が出来る投手。凄く良いですよね。左投手には横手に見えるスリークォーターが多いですけど、彼は珍しくオーバーハンド。左で横からではなく、上からあそこまで叩くように投げられるっていうのは珍しいし、バッターはボールを見づらく読みづらいだろうなと思います」

野球ファン、野球マシーンと言われて研究を怠らない大谷選手らしい分析です。
サウスポーという強みの他に、カーショー投手は振りかぶって投げられるだけの器用さと持ち前のパワーがある。
大谷選手はカーショー投手に憧れ、自分も彼のような存在になろうと望んでいました。

そして2018年シーズン。
大谷選手のMLB1年目の年に両者は対戦相手として顔を合わせました。
2018年3月7日のエンゼルス対ドジャースのオープン戦に7番DHで出場していた大谷選手。しかし、この時はベテランのカーショー投手に手玉に取られています。
カウント2ボールからファウル2つで追い込まれ、最後は縦に変化するカーブで見逃しを取られます。大谷選手は試合後のインタビューで対戦をこのように振り返っていました。

「見送ることに自信はありましたけどね。でも、あそこまでストライクを取る審判もいるので。そこは勉強として。カーショー投手は球速もあり、ボール先行でもカウント球をしっかり投げてきた。素晴らしいと思うし、ボールは速くてカーブもですが、1つ1つの質が高い。凄く楽しく、凄い勉強になりましたね」

至高の投手と初対決をした興奮。
それから、自分が野球選手として1つ新たな学びを得たという喜び。
カーショー投手との初対戦は、大谷選手に沢山の事を与えてくれました。

大谷選手は日頃から、他人への嫉妬心を見せません。
憧れ、羨望を素直に口にすることが出来るからこそ、彼は常に成長と前進を続けています。
嫉妬に気を取られて自分のことが疎かになっては、アスリートとしてもったいない限りです。
重要なのは、憧れを前にしても自分の努力を忘れないという感覚でしょう。

そして時が経ち、2022年7月19日のオールスター戦。
大谷選手はナ・リーグの投手として先発したカーショー投手からセンター前ヒットを放っています。

対戦前日の記者会見で、カーショー投手への思い入れを改めて語っていた大谷選手。
「昔から見ていた選手」と話し、正々堂々正面から勝負したいという意気込みを明かしていました。

「学生の頃から見ていて、彼はその当時から投げていた選手。思い切り初球から、フルスイングで行きたいですね」

オープン戦、交流戦と大谷選手はそれ以前はカーショー投手に歯が立たない状況でした。8打席対戦し、ヒットはゼロ。
オールスター直近の対戦では、3打席無安打で2三振を喫するなど結果は散々でした。

しかしオールスターで真っ向勝負を仕掛け、一矢報いました。
その時の大谷選手は、ホッとしたような笑顔を見せていたのも印象的です。

大谷選手はどこまでもカーショー投手に憧れ、理想の姿を見ているのかもしれません。
長く安定的な現役生活を目標に掲げている大谷選手には、年齢を重ねても活躍するカーショー投手は最高のお手本なのでしょう。

2022年のオールスター期間中、大谷選手はカーショー投手への率直な思いも口にしています。
カーショー投手との対戦時には、打席に入る前にカーショー投手へ脱帽した大谷選手。
彼はその意味を問われ、カーショー投手への思いからそうしたと答えています。

「『リスペクトしています』という、僕なりの表現です」

カーショー投手への敬意とファンとしての愛。
大谷選手の中には常にその思いがあります。
そして今年は対戦相手ではなく、チームメイトとして肩を並べます。

今ではカーショー投手も大谷選手の活躍を楽しみにして、チームメイトとして時間を共有することも心待ちにしているようです。

しかしかつて、大谷選手とカーショー投手の間には緊張感が漂っていました。
以前は大谷選手の片思いとも言えるような、難しい時期があったのです。

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