あの試合で崩れたのは、スコアではなかった。
崩れたのは、“当然勝つはずだった流れ”そのものだった。

6回を投げ切り、すべてを整えたはずの試合。
だが、その直後に起きたのは逆転ではない。
――積み上げられてきた信頼が、一瞬で剥がれ落ちる光景だった。

ミスは一つではない。
だが問題はミスの数ではなく、繰り返される構造にある。
誰もが理解していたはずの“境界線”が、守られなかったという事実。

声は、沈黙を破るために発せられる。
そしてその言葉が向かう先は、個人ではなく“基準”だ。

なぜ守れなかったのか。
なぜ変えるべきではない場面で、変えてしまったのか。

答えはまだ出ていない。
だが確かなのは、この敗戦は終わりではなく、
――何かが露出した瞬間だったということだ。

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